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【天性耳瘻孔・副耳】

 耳介の付着部の前上方に、小さな孔(くぼみ)を認める人がいます。これは先天性の外耳奇形として比較的頻度の高い先天性耳瘻孔であると考えられます。また、耳介から口唇に向かう線上に、小さな腫瘤が1個から数個認める場合があり、これらは副耳と考えられます。いずれも胎生期の耳介結節の癒合不全および過剰形成により生ずるとされている先天性疾患です。

 耳瘻孔は、片側性あるいは両側性に小孔として存在しますが、皮下に向かって袋状に進展し、多くは耳介の軟骨に癒着、一部では耳介軟骨を貫通して耳介の裏面にまで進展しています。一生の間、全く無症状で経過する人も多いと言われていますので、特に症状が無いのであればそのまま放置して構いませんが、一度感染を生じると、その後も繰り返す可能性が高く、その場合には手術的に摘出することを考える必要があります。また、瘻孔開口部周囲に膨らみがある場合は将来的に感染を生じやすい印象もあります。小児での手術は全身麻酔が必要なため、乳児期に高度の感染を生じない限り、1歳以降に行うのが通常です。片側15〜30分程度の手術であり、全身的合併症を認めない場合には、日帰り手術も可能です。また、感染の既往がない場合でも、髪の毛の刺激や、不潔な手で瘻孔の開口部を触ることで感染を誘発する可能性があり、刺激を避け局所の清潔を保つことが必要となります。

 副耳のほとんどは、耳珠と口角を結ぶ線上に生じます。時に複数の副耳が存在することもあります。皮下に軟骨を伴い、手術の際にはその軟骨を含めて切除しますが、手術の適応は、外見上・美容上の問題のみであり、本人および保護者が気にならなければ、そのまま放置して構いません。なお、手術する場合、低年齢では全身麻酔が必要になりますが、片側10〜15分程度で済む手術であり、全身的合併症を認めないのであれば、日帰り手術が可能です。以前には、副耳が有茎性の時にその根元の部分を糸で縛る方法での除去が行われていたとのことですが、術後に皮下にある軟骨部分が盛り上がって見えたり、皮膚の傷の部分も必ずしもきれいな状態にならないため、現在では積極的には薦められない方法と考えられます。